訪台で高市氏が会見 「台湾と実務関係でも堂々と強化すべき」

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記念撮影(写真提供:総統府)

自民党の高市早苗前経済安全保障相は4月28日、台北市内で記者会見を開き、日本と台湾の関係について「非政府間の実務関係であっても堂々と実務を強化すべき」との立場を示した。

 高市氏は、同党の黄川田仁志衆院議員、尾崎正直衆院議員、佐藤啓参院議員とともに同27日より三日間の日程で台湾を訪問。同28日午後には台湾総統府で頼清徳総統と会談した。

 総統府によると、頼総統は中国の「レッドサプライチェーン」が日増しに拡張する中、台湾と日本が互いに重要な経済貿易パートナーとして半導体やエネルギー、AI(人工知能)などの分野で密接に協力し、民主主義陣営による「非レッドサプライチェーン」を共に構築していくことに期待を寄せた。また、環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾の早期加入を望む姿勢を示した。

高市早苗氏の挨拶(写真提供:総統府)

 高市氏は会見で「頼総統と日本と台湾間の安全保障、経済安全保障、民主主義の「三つのチェーン」の強化を確認した」と話した。防衛面での情報共有を進め「民主主義陣営による「非レッドサプライチェーン」を半導体や先端技術製品で構築していくことで一致した。台日にとどまらず、フィリピン、オーストラリア、米国などとも連携し、台湾海峡の平和と安定を確保していく重要性を確認した」と説明した。

 このほか、技術革新分野で台湾が強みを持つ半導体チップ、日本がリードする半導体製造装置や素材分野、AI、衛星分野などで「日台の協力ができる」とし、互いの「不可欠性」を確保するためにもこれらの分野での協力を進めていく重要性を頼総統に伝えたと述べた。

高市早苗氏と頼清徳総統(写真提供:総統府)

 日本のメディアから「将来もし日本の首相になった場合に台日関係をどのように発展させていくのか」との問いに「仮定の話にはお答えしにくい」としながらも「非政府間の実務関係であっても、堂々とその実務を強化すべきだと考えている」と述べた。「現在でも人的交流や情報交換、技術協力を進めることはできる」とした一方で「それらの協力が中国が台湾に武力行使する口実として利用されてはならない」と強調した。また「私たちは何よりも台湾海峡の平和を望んでいる」とし「困った時に助け合えるネットワークを、台日だけでなく友好国にも広げていきたい」と語った。

 高市氏によると、訪台の期間中に頼総統の加え、蔡英文前総統や林佳竜外交部長、韓国瑜立法院長、与野党の立法委員らと面会したという。